国際海上輸送の安全性を確保するため、SOLAS条約は定期的に改正が行われています。
特に、平成28年7月1日から施行された改正では、コンテナ総重量の確定方法に関する新たな規定が導入され、船主、オペレーター、船員、海運業界関係者、保険業者など、船舶業界に携わる方々に大きな影響を及ぼしました。
本記事では、SOLAS条約の基本的な内容から、改正の背景、具体的な改訂内容、そしてコンテナ重量の確定方法までを詳しく解説します。
また、改正に伴い必要となる手続きや、実務上のポイントについても取り上げ、業務に役立つ情報を提供します。
SOLAS条約改正内容を理解し、適切な対応を行うための参考にしてください。
SOLAS条約の内容
SOLAS条約は、1914年に北大西洋で発生したタイタニック号沈没事故を契機に制定された国際条約です。
この条約は、船舶所有者や港湾管理者に対し、安全確保のための措置を義務付けることで、国際海上輸送システムの信頼性向上を目的としています。
加えて、急迫した脅威が確認された船舶の入港を拒否することにより、不正行為やテロなどの国際海上輸送への違法行為を防止することも目的としています。
SOLAS条約は、国際海上輸送の安全性を守る基盤となる重要な国際ルールです。
SOLAS条約改正の背景
SOLAS条約は、IMO(International Maritime Organization/国際海事機関)によって定められた海上人命安全条約であり、従来から国際海上輸出コンテナの総重量を船長に提出することを荷送人に義務付けていました。
しかし、現場では総重量の誤申告が原因と考えられるコンテナ荷崩れや船舶の復原性喪失などの事故が相次いで発生していました。
これを受けて、IMOはSOLAS条約を改正し、船積み前に船会社や港湾に対して、正確なコンテナ総重量の事前連絡を義務付けることを決定しています。
この改正は、IMO加盟国に対しても厳格なルールの遵守を求めるものであり、安全性向上と事故防止を目指した重要な改定となります。
平成28年7月1日より発行のSOLAS条約改訂内容
平成28年7月1日より施行された改正SOLAS条約では、国際海上輸出コンテナの総重量確定方法が明文化されています。
従来から荷送人には、輸出コンテナの総重量を船長に提出する義務がありましたが、誤申告に起因する荷崩れや船舶事故が後を絶たなかったことから、新たな総重量確定方法が定められたのです。
この改正を受け、国土交通省は改正SOLAS条約を国内で実施するために、船舶安全法関係省令を一部改正し、さらにその詳細を定めた告示を制定しました。
この新制度は、船舶運航の安全を確保するため、輸出業者や船社に対して厳格な重量管理の実施を求めるものです。
参考元:国土交通省>国際海上輸出コンテナ総重量確定制度(改正SOLAS条約関連)
SOLAS条約改訂に伴い届出荷送人・登録確定事業者は届出が必要
改正SOLAS条約に基づき、国際海上輸出コンテナの総重量を確定するためには、国土交通省への届出または登録が必要となります。該当するのは以下の2種類の事業者です。
- 自らコンテナ総重量を確定させる荷送人(届出荷送人)
- 荷送人に代わりコンテナ総重量を確定する者(登録確定事業者)
荷送人から依頼を受け、代わりにコンテナ総重量を確定して船社へ通知する事業者は、登録確定事業者として国土交通省に登録する義務があります。
この届出・登録制度は、SOLAS条約改正により求められる正確な重量管理を徹底し、海上輸送の安全を確保するために設けられました。
コンテナ重量の確定方法
SOLAS条約改正により、以下2つのいずれかの方法で確定したコンテナ重量を、事前に連絡することが義務付けられています。
それぞれの方法について解説していきます。
【1】総重量を計測
貨物を積み込んだ後のコンテナを、適切な計量器(貨物用トラックスケールなど)で直接計測する方法です。この方法は、測定がシンプルかつ迅速であり、特に大量のコンテナを扱う現場で有効です。
【2】合算して計測
貨物を積む前に、以下の項目をそれぞれ計測し、合算することで総重量を算出する方法です。
- 個々の貨物の重量
- 梱包材、パレットなどの重量
- 空のコンテナの重量
この方法は、事前に貨物の重量が明確な場合や、梱包段階での重量管理が厳密な場合に適しています。ただし、正確な計量と記録が求められます。
SOLAS条約改正で理解しておくべき4つのポイント
改正SOLAS条約の施行により、輸出入業務に関わる関係者は、総重量の確定および報告に関していくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
ここでは、特に重要な以下4つのポイントについて解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【輸出側】総重量を測定する手順を確認する
輸出側は、コンテナの総重量を確実に測定するために、事前に手順を整えておく必要があります。
まず、計測方法として、コンテナ全体を直接測定する総重量計測法か、貨物重量と空コンテナ重量を合算する合算計測法のいずれを採用するかを決定することが求められます。
その際、使用する計量器が国土交通省や計量法の基準を満たしていることを確認しなければなりません。さらに、測定後の記録や報告フローを明確に定め、担当者への周知や社内ルールの整備を行うことが大切です。
このような手順を事前に確認・整備することで、VGM提出におけるトラブルを防ぎ、輸出フローを円滑に進めることができます。
【輸出側】総重量を測定する検量場を確認する
正確な総重量を測定するためには、信頼性の高い検量場を選定することが重要です。
輸出フローの効率化を図るため、コンテナ積み込み後に立ち寄りやすい検量場を選び、現場の動線を最適化する必要があります。
また、検量場が使用する計量器が公的な認証を受けており、SOLAS条約および国内法規に準拠しているかを事前に確認することが求められます。
さらに、検量場が正規の計量証明書を発行できることも確認しておくべきです。
【輸出側】船社への総重量伝達手段を確認する
SOLAS条約の改正により、輸出側は測定した総重量を船社や港湾オペレーターに正確かつ迅速に伝達することが義務付けられています。
そのため、まず船社が指定する申請フォーマットを把握し、各社ごとの提出形式や入力項目について理解を深める必要があります。
次に、総重量の伝達方法として、電子データインターチェンジ(EDI)や船社専用のポータルサイト、またはFAXやメールなど、船社が定める報告手段を事前に確認することが大切です。
こうした準備を徹底することで、VGM未提出による積載拒否やスケジュールの遅延を回避できます。
【輸入側】卸先と事前協議
SOLAS条約改正は輸入側にとっても重要な影響を及ぼします。例えば、輸出元での総重量確定手続きについて事前に卸先と協議することです。
まず、輸出側がSOLAS条約に基づいた正確な総重量を確定し、提供しているかを確認する必要があります。
そのため、総重量が記載された書類を輸出側と事前に共有する取り決めを行うことで、通関業務の効率を高められます。
さらに、輸入港でのコンテナ引き取りスケジュールを調整するためにも、総重量を基にした計画的な対応が不可欠です。
こうした事前協議を通じて、輸入側はVGM未提出によるコンテナ滞留や通関遅延といったリスクを未然に防ぐことができます。
貨物用トラックスケールなら『宝計機製作所』がおすすめ

項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社宝計機製作所 |
住所 | 山口県柳井市柳井3889番地 |
創業年月 | 昭和25年1月 |
公式サイト | https://www.takara-scale.co.jp/ |
株式会社宝計機製作所は、1950年創業の老舗計量器メーカーで、SOLAS条約に対応した多様な計量器を提供しています。
同社は、コンテナ総重量の確定方法である『一括計量法(総重量を計測)』と『合算計量法(合算して計測)』の両方に対応した製品を取り揃えています。
一括計量にはトラックスケールやロードメーター、合算計量にはデジタル台はかりが適しており、現場のニーズに合わせた正確な計測が可能です。高精度かつ堅牢な設計で、長期間の使用にも耐え、SOLAS条約の要件を満たします。
長年培った技術と経験を活かし、最適な計量ソリューションを提案する宝計機製作所の製品を、VGM測定の体制構築にぜひ検討してみてください。
以下の記事では株式会社宝計機製作所の会社の特徴や製品事例をさらに詳しく解説していますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、SOLAS条約の概要から改正の背景、具体的な改訂内容、そしてコンテナ総重量の確定方法や実務上のポイントについて詳しく解説しました。
SOLAS条約は、海上輸送の安全性を高めるために定められた国際ルールであり、平成28年7月1日からの改正により、荷送人は正確な総重量の測定および提出が義務付けられています。
特に、総重量の確定方法は一括計量法と合算計量法の2種類があり、どちらを選ぶ場合でも、測定結果を確実に船社へ伝達することが重要です。また、輸入側もトラブルを防ぐため、卸先との事前協議や書類管理を徹底する必要があります。
SOLAS条約改正への理解を深め、適切な対応を行うことで、輸送の安全性を高めるとともに、円滑な国際物流を実現できるでしょう。業務フローの見直しや手順の整備を進め、安全かつ効率的な輸出入業務に取り組んでください。